- シゴトリップ
- LOCAL
———まちに、少しだけ未来の風を。
6月26日、水曜日。
朝の陽射しが柔らかく差し込み、まだ静かなNo.12 Kashima Fan Zoneに、体操服姿の来訪者たちがやってきました。
この日、茨城県東海村の中学校から15名の生徒たちが職業体験に参加。
まちの複合施設で、子どもたちは“働くこと”を、そして“まちで生きること”を、少しだけ覗き込むように体験しました。
宿泊棟のベッドを整え、床を磨き、サウナの清掃に汗を流す。
オープン準備を一つひとつ学びながら、慣れない手つきで黙々と作業を進めるその表情には、遊びとも勉強とも違う真剣さが宿っていました。
午後、施設のラウンジに場所を移して、最後のプログラムが始まります。
「どうしたら、もっと多くの人にこの場所を知ってもらえるだろう?」
3つのチームに分かれた生徒たちは、模造紙を前にアイデアを出し合い、未来のお客様を想像しながら、小さな頭と心をフル回転させて企画を練っていました。
あるチームは「ファンゾーン検定」なるユニークなクイズ企画を提案。
あるチームは「SNSで映える撮影スポットを作ろう」とアイデアをプレゼン。
「たくさんの人に来てほしい」という真っ直ぐな想いが、言葉や絵になって形になっていく過程は、まさに“その場”でしか得られない体験のかたまりでした。
学びとは、教科書の中だけにあるものじゃない。
働くこと、誰かのために動くこと、まちを考えること。
No.12がこの日受け入れたのは、ただの職業体験ではなく、「まちに生きる感覚」とも言える、生きた学びの時間でした。
帰り際、ひとりの生徒がぽつりとこぼした言葉がありました。
「ちょっと大人になった気がする」
まちのあそびばに、少しだけ未来の風が吹いた一日でした。