——まちに、もっと遊び心を。


7月20日、日曜日。
陽射しは高く、空はまっさらな青に染まり、風は子どもたちの笑い声を乗せ、No.12 Kashima FanZoneを優しく包み込みました。

この日、「まちのあそびば」の第1回目が開催されました。
縁日でも、バザーでも、マルシェでもない。
だけど、その全部の“たのしい”が、ぎゅっと詰まった祝祭の日。

屋台からは、ソースの香ばしい匂い。焼きそばを手にしたお父さん、かき氷を頬張る子どもたち、わたがしの白さに目を輝かせる兄妹。わなげに夢中になる子、小さな手でヨーヨーを釣り上げてはしゃぐ姿。

静かな興奮をたたえた鹿島灘太鼓の響きが、心に波紋のように広がります。そして、どら焼きづくり体験のコーナーでは、焼き色に笑顔が映りました。

サウナは、なんと入り放題。
火照った体を冷たい外気にさらしながら、整う感覚に身をゆだねた大人たちの横顔は、どこか少年のようでもありました。
「今日は、なんだか心まで洗われるね」
そんな言葉がふと、風に流れてゆきます。

子どもが遊び、大人が少し立ち止まり、知らない誰かと笑い合う。ここには、肩書きも、役割も、昨日までの忙しさもない、ただの「ひと」が集っていました。

イベントが終わる頃、空は少しだけ茜色に染まりました。
まだ帰りたくなさそうにしていた子どもに、
母親が小さな声で言いました。

「また来月もあるよ。ね、また来よう」

「まちのあそびば」は、月に一度の小さな祝祭。
遊ぶようにまちをつくる。
そんな夢のはじまりに、たしかな手応えを感じた1日でした。